Passengerで本当にあった○○な話
Passengerを使っていて実際にやってしまったダメーな思い出話。(けっこう前のことなので今の状況とは少し違うかも。)
間違ったキャッシュが返る
この日記にはtDiaryからTypoに移行したという経緯がある。移行のためのあれやこれの手間はかかったものの、一通りの作業を終えるとおとなしく動作していた。
ところが、ある時、ブラウザからのアクセスにatomデータを返していることに気付いた。動作を追ってみると、どうも何かの加減で間違ったキャッシュファイルがレスポンスに使われているように見える。そこで、とりあえずの回避策として、生成されていたatomキャッシュを削除した。するときちんとhtmlデータが返されるようになり、新たにhtmlのキャッシュファイルが生成されていることを確認できた。
気になって調べてみると、atomキャッシュだけが生成されているページが他にもいくつかある。先にatomへのアクセスがあれば当然このようになるわけなので、それ自体は問題ないはず。だが、これがあるとhtmlで返すべきところが返らなくなってしまうようだ。
ある期間この現象は困った謎のままであった。まったく見られなくなるわけでもなく、ともかくは動いているということもあって、場当たり的な対処を繰り返して過ごしてきた。
ここでTypoが作るキャッシュを考えてみる。Typoは生成するレスポンスによってhtml、atom、rssなどのキャッシュをファイルとしてpublic以下に作る。これらのファイルは、Passengerの通常通りの動作としてTypoが関与することなくレスポンスに使われる。したがって、問題のhtmlリクエストに対してatomデータを返している容疑者はTypoではなくPassengerかApache HTTPサーバである。ということに、かなり時間をかけた上で気付いた。
もう少し正確に言うと、ようやくそこに目を向けることができた、という感じかもしれない。となれば、まっ先に疑うべきであった点が一つ。MultiViewsだ。
ところで、前述の通り、この日記はtDiaryからTypoに移行した。tDiaryのときの設定は以下のようなものだった。
Alias /diary /path/to/diary <directory /path/to/diary> # tDiary Options -MultiViews </directory>
これをTypo+Passengerにかえた際に、/path/to/document_rootから/path/to/diary/publicへのシンボリックリンクを作成した上で、次のように変更した。(実際にはtDiary→Typo+FCGI→Typo+Passengerと設定を変えてきているため、その跡が少し残っている。)
#Alias /diary /path/to/diary/public <directory /path/to/diary/public> # Typo Options -MultiViews </directory>
気持ちの上ではMultiViewsはオフのままにしたつもり。だが、もちろん、そんなことはなく、/path/to/documentrootで有効になっているMultiViewsは/path/to/documentroot/diaryでも有効になる。そしてTypoが作り出すURLには拡張子がついていない。ブラウザからのアクセスは/diary/fooに対するものとなる。この時htmlキャッシュがなくて、atomキャッシュやrssキャッシュがあれば。そう、MultiViewsの機能により(もちろん設定にもよるが)htmlではなくそれらのデータがレスポンスとして送信されてしまうのであった。
Passengerじゃない!
FastCGIで動作させていたあるRailsアプリケーションをPassengerで動かすことにした。ところが、なかなか作業がはかどらない。移行をしているせいもあって、いろいろやってみたあげく、変わらずFastCGIで動いてしまうというのを何度か繰り返していた。
と、ここで、FastCGIを動かなくしてしまえばよいではないかと思い付いた。そもそもPassengerに移行した後はFastCGIを使わないのであるから、これはどちらにしても良いことである。
さっそくそのようにしてみたところFastCGIで動作することはなくなった。
よかった、よかった。別の作業に取りかかろう。……あれ? なんだか重い? アプリケーションは動いてはいる。エラーも出ていないし、返ってくるデータにも問題はない。だけど、あれ? レスポンスがものすごく悪い?
FastCGIのプロセスがなくなったことで安心してしまったが、そういえばPassengerのプロセスは動いていただろうか。
あわてて見直してみると、Passenger配下にあるはずのインスタンスがない。では、どうやって動いているのだと追ってみれば、なんとも困ったことにアプリケーションはCGIで動いていたのだった。