裏写りの少ないチャネルを選ぶ

ScanSnapのような両面を一度に読み取るスキャナを使っていると、まんが雑誌などで裏側の陰影が透けてしまうことがある。雑誌だけでなく、少年まんがや少女まんがでも同じように透けることが多い。

こういうのはあきらめが肝心だろうと思う。

ふり返ってみると、紙のまま読んでいるときでも裏写りしていることが少なくない。似たような状態を画像として見ると気になるのは、スキャン後のチェックをしているからのように思う。実際、通して読む段になると、チェック時には気になったはずのところをひっかかりなく読み進めていたりする。

とはいうものの、あまり手間をかけずにできることがあるならばとも思う。

多くのまんがは白・黒の二色で印刷されていて中間色はない。よって理想状態のヒストグラムでは両端に二本の線が立つことになる。ところが実際の印刷物には汚れ、折れなどの変形、インクのかすれ、紙そのものの凹凸があり、さらに印刷そのものの質の影響もある。それを読み取るスキャナには解像度の限界がある。そうしてヒストグラムには二つの山ができる。

そうしてみると、ヒストグラムの偏りが大きく、山が鋭く切り立っているほうがよりよい画像といえるのではないだろうか。そこで少し試してみた。

普段はグレースケールでスキャンしているのだが、間違えてカラーでスキャンしてしまった画像がある。その中から比較的はっきりと裏写りしているものを一つ選んだ。(こうした紙面の場合、裏写りがまったくない画像はほとんどない。)

ヒストグラム(RGB)を見ると、青か緑の山が赤よりも細身であることがわかる。通常のグレースケール化(明度)、赤チャネル、緑チャネル、青チャネルのそれぞれに対してレベル調整を行った。(gimpスクリプトによりいずれも同程度の調整結果となるようにした。)

白地の部分に違いはないが、トーンがかかった部分については青チャネル(右端)の程度がもっともよい。同じ紙面の他のページについても同様に確認してみたところ、やはり青チャネルの程度が他と比べてよいようだった。

黄ばみのある紙面についても同じように確認してみた。この例では赤チャネルがもっともよく、逆に青チャンネルが残念な結果となっている。(これは単行本であり裏写りはほとんどない。)

今回のお試しの結果からすると、裏写りがきついものや黄ばみのあるものについてはカラーでスキャンしておいたほうが後処理での調整をきかせやすいといえる。

ただし今回確認した範囲はたかだか数ページのみ。一部を切り出して比較するだけではなく、一冊まるごと、あるいは複数からある程度の量を処理して読み比べてみたほうがよいだろう。また、裏写りがそれほどきつくない場合には通常の明度からのグレースケールに対するレベル調整で十分な処理ができることも少なくない。

サンプルに使わせてもらったまんが

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まんがタイムきららミラク2012年3月号から (3〜5月号でゲスト掲載、現在発売中の6月号から連載開始)
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