楽園Le Paradis(4)にミネルバを読むなど
えーと季刊、だったかな。四号目となった楽園[rakuten]はこれまでにもましてその幅を広げてきたようだった。ちょっとイタい話もあったかもしれない。
あさりよしとおさんの「小惑星へ挑む」は、ミネルバの解説をベースにした実に「らしい」もの。ミネルバの想いとうらはらに、母鑑が今なおくるくるまわってんだよねーっていうオチがいい。
木尾士目さんのまんがは、オタな新郎と非オタ新婦で妊婦のあれこれ。(6+)8ページと短いのに濃いいなあ。身につまされ…… は、かろうじてしないか。どうか。これまたオチがいい。
二宮ひかるさん「魔法使いの冷酷」で記憶に残るか身体に残るかっていう択一がえぐくてよかった。タイトル通り、冷酷な所業なのだけど、妙にホンワカとしている。全部ひっくるめて妄想だったかもしれない、という読み方はありだろうか。
水谷フーカさん「14歳の恋」はラブくていいねー。こういう、あっちもこっちもうまくはまっている状況ってのは物語だからこそって感じだけど、現れる空回わり感とかドギマギとかの心情(まあ特に前者なんだけど)は、形は違えど「あー、うんうん」だ。
鶴田謙二さんはねこまんが。この方のまんがはいくつか読んだことがあるというくらいで熱心に追いかけてはこなかったのだけど、それでも例の調子でっていうようなのはなんとなくわかる。ねこまんがじゃないんだけど、やっぱねこまんが。
シギサワカヤさんは、ここのところコミカルと半々くらいの感じだったように思う。今回のは初単行本あたりに通じる、イタさを描くものだった。登場人物はある面これまでと共通してどこか何かが欠けた人々って感じなんだけども、角度を変えるとこう変わるのかっていう新鮮さを感じた。
それでいうと、竹宮ジンさんもこれまでこの本の中で書いてきたものとはちょっと雰囲気の違ったものだったのかな。続き、あるのかな? 期待。
総じてレギュラー陣は安定。新メンバーも十分。次も買うぞー。てことで。