ブックフェアと周期表

2010-07-08〜11で開催されたブックフェアに行ってきた。一度も行ったことがなかったのでどんなものか見てみたいというのがきっかけで、それに加えて電子書籍の催し(デジタルパブリッシングフェア)も同時にやっているというのが知ったのが決めて。

だが、しかし。現地に行った11日の日曜日、電子書籍のコーナーはなくなっていたのだった。

どうしたものか、同時開催というのは同期間で開催なのだと思い込んでしまっていた。一日短い会期が明記されていたのに気付いたのは、ビッグサイトに入ってからだった。それでもどんな感じなのかという興味はあったのでひとめぐり、ふためぐり。

出展している出版社では20〜30%オフで書籍を売っていて、そのつもりもなかったのに本を買ってしまっていた。20%オフが30%オフに書き変えられていたりもするポップを見ると、会期後半のほうが割引率がよくなるのかもしれない。ただし現地在庫限りで棚は空きがち。売り切れが出ているようだった。

会場の通路は人でうまっている。もみ合って身動きがとれないというほどではないが、歩けばどこかしらぶつかりそうになるのが普通なくらいではある。ちょっとしんどい。ブース内で本を探そうとすると、これがまたひと苦労。せまいなかで人の楯をかいくぐって棚に望むというのを繰り返す。もっとも、込み合っている書店とそう違うわけではない。

収穫の一つは、普段あまり見ない種類の本をなんとなく目に入れられたこと。児童向けの本など特にそうで、なかでも子供向けの周期表が一冊の本としてあったのにおどろいた。元素一つずつ見開きで説明するもので、非萌えの擬人化イラストが特徴。プレゼントにいいかもしれない。鉱物の同様の本と合わせて買おうかどうしようか、かなり迷ったが、写真がない点など、自分用としてはやもの足りないので止めた。

聞くところによると、すっかり見逃してしまった電子書籍の展示は、ずらっとならんだiPhoneで独自アプリが動いていた様子。やっぱそうか。独自アプリ以外の取り組みをやっているところもきっとあるのだろうけど、独自アプリばかりという現状はライトユーザだけをねらえればよいという業界の姿勢なんだろうか。などと思ってしまう。

ちょうど小説家という職業[rakuten]を読み終えたところなのでよけいにそう思えるのかもしれない。今のちょっとしたブームというかバズワード的な状況を過ぎると、読まない人はアプリ乱立のめんどうさで離れていくだろうし、読む人は媒体としての扱い難さで離れていくだろう、という気がする。その間に本屋さん以外から「出版」されるようになってくるのかもしれず、それはそれで悪くないのかもしれない。ま、考えるよりも…… だろうか。