感応連鎖
朝倉かすみさんの感応連鎖が大変面白かった。
イヤラシイほど少女と女を綴った朝倉作品、大好きです!
という書評に強くひかれて読み始めた。著者の作品を読むのは初めてで、内容もほとんど知らない状態で。
人と人との感情を含めた言動がからみあって…… というのは当然ながらどこででも見られるが、この物語ではそれとはレイヤ一を違えて人と人と(ここでは少女と少女)の意識のからみ合いが描かれているようだった。意識とか思考とか、が、強烈に行き来する様子には生き生きとしたという面がありつつも、角度をわずかに変えるだけで、どこかシステマティックな相互作用のように見えてくる。
四編からなる、四人の少女の物語の最後。その彼女の生き様には別に感じるところがもちろんあるわけだが、そこに至る上での方法論、とまではいかないイメージがすべてを収斂するキーとして浮かび上がる。そこに美しさのようなものを感じる。