感応連鎖

朝倉かすみさんの感応連鎖が大変面白かった。

イヤラシイほど少女と女を綴った朝倉作品、大好きです!という書評に強くひかれて読み始めた。著者の作品を読むのは初めてで、内容もほとんど知らない状態で。

人と人との感情を含めた言動がからみあって…… というのは当然ながらどこででも見られるが、この物語ではそれとはレイヤ一を違えて人と人と(ここでは少女と少女)の意識のからみ合いが描かれているようだった。意識とか思考とか、が、強烈に行き来する様子には生き生きとしたという面がありつつも、角度をわずかに変えるだけで、どこかシステマティックな相互作用のように見えてくる。

四編からなる、四人の少女の物語の最後。その彼女の生き様には別に感じるところがもちろんあるわけだが、そこに至る上での方法論、とまではいかないイメージがすべてを収斂するキーとして浮かび上がる。そこに美しさのようなものを感じる。

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感応連鎖 朝倉 かすみ (2010)