DON'T TRUST OVER 30
DON'T TRUST OVER 30[rakuten]はよく知らなかったけども買っておいた。というようなことを書いたのだけど、読んでみたら知っていた。よくある。
雑誌ファウスト掲載時にいくつかチェックしていたものの、当時雑誌を買うというのがあまりなくて、結局追いきれなくなってしまったものだった。もっとも短編集なので他の雑誌に掲載されたものも含まれていた。
変ゼミやサルガッ荘とはかなりトーンが違う。ゴリゴリと人を削るような話が多い。ただ、なんというか、削り出すとか削り上げるとか――ザクザクいってて痛々しくて、かといってスカッともしないのだけど、振るわれる刃物が大きく小さくうねうねと変化していくようなところがあり、その中に何事かを見ることができる。そんな気がしてくる。
ま、そういう物語以外のことを考えてしまうのは読み手の都合であって、こんなふうに感じたのは今の自分のどこかなのかもなとは読後に思った。世界観に引っぱり込まれる物語も面白いけど、何かしら引っぱり出されるような読み方ができる物語も、疲れるけど、楽しい。