突発息抜き北鎌倉、そして長谷
11月のはじめあたりに風邪をひいた。熱などの風邪らしい症状は病院に行くまでもなくすぐにおさまったのだが、咳だけが残ってしまった。どうにも止まらず、眠れもしないという状況が続き、ここにきて病院に行ってみれば気管支炎との診断。もらった薬を飲んでもしばらくは改善せず、11月中頃までは咳が抜けなかった。体力がそれなりに戻ったのがようやく11月も後半になってから。そんなわけで突発的に鎌倉へと出掛けることにした。
ねらいは湘南経済新聞で知ってから気になっていた北鎌倉の石かわ珈琲と、これはおそらく雑誌で見掛けたのだったと思うかうひいや3番地。
まずはランチということで石かわ珈琲への道筋にある橘というお店に行った。店の前の庭は季節のせいもあるかもしれないけど手が入っていないように見える。どうなんだろうと思いつつ店に入ると、どうも雰囲気は定食屋さんのよう。メニューは一つだけで、橘弁当とある。これがそれまでとは雰囲気を変えてしまうような丁寧なもので、妙なギャップが面白い。ただ、食前にプラムのワイン煮が出たり、食後にはブルーベリーティーがあったりというのを合わせると、おかしなところで統一感があるような気もしてくる。観光地でもあってやや割高かなというところでもあるが、それなりには納得して店を出た。
続いて本命の一つ、石かわ珈琲へ。てろてろと歩き、やがて住宅地へ。出掛けるときにはあまり意識していなかったけど、紅葉した落ち葉が流れていて川が常にない色になっていた。
看板を見付け、そばにある階段をずいずいと上がるとすぐに、木の落ち着いたドアが見える。開ければすぐに香りがあって、落ち着いた気持ちになる。ちょうど席がうまっていたものの、空きスペースにテーブルを出してもらえてちょうどよく座れた。きたかまブレンドとコスタリカ、それにプリンをたのんだ。
このときはお店の方は一人だけで、ひとつずつドリップするためゆっくりと進む。ちょうどカウンターの中を見られる場所だったため、手元をながめて待つ。北鎌倉の駅からは少し歩くわりに人の出入りがある。休日だったためか家族連れも多くにぎやかだった。平日はもう少し落ち着いているのだろうか。出てきたコーヒーはお店にあっていて、トゲトゲしさのないマイルドなもの。プリンはなめらかでありながら、ちゃんと火が入っている感じがあり、甘味がうまく整えられていておいしかった。コーヒーとの組み合わせでも外れないよい加減だと思う。帰りにお試しコーヒー豆セットを買った。
北鎌倉の駅に戻り、鎌倉を経由して長谷へ。駅を出る人の流れからすぐに離れて次の目的地であるかうひぃや3番地を探す。こちらも住宅地の中にある。外見は普通の住宅。靴を脱がずに上がると板の間に席が設けてあり、たくさんの人がいる。席数はそれほどでもないものの、民家にいるにしては…… と思うくらいの人がいて、レコードがかかっている。
レギュラーブレンドとノアールブレンド、それにスフレチーズケーキをたのんだ。こちらは少しとがった感じもある珈琲であったように思う。どちらかというと好みがわかれるかもしれない。雰囲気のあるお店であって、ゆっくりまったりできそうだ。灰皿が置いてあったようにも見えたのが気になるが、禁煙かどうかは確認しそこねた。
最後に駅をはさんで反対側にあるベルグフェルドでパンを買って、電飾がにぎやかな長谷駅と戻った。