プロデュース能力

佐々木直彦さんのプロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動プロデュース能力〜ビジョンを形にする問題解決の思考と行動[rakuten]を読んでみた。ずいぶん評判が良いようなので期待していたのだけど、もうひとつピンとこなかった。

問題の原因を論理的に追求して解決するという一般的な手法に対して、 「こうなったらいいな」を熱を持って考え、その考え(ビジョン)を広めて周囲を巻き込み、さらに実現した結果としてまったく別次元から問題解消するのがプロ デュース(プロデュース思考に基づく行動)。ビジョンで人を動かすとともに、できるところから「ともかくやってみる」のが重要ということ。

印象として HOWTOや方法論というよりも事例分析とか事例紹介という雰囲気がやや強いようだ。「○○したから、このようにうまくいった」式の記述が続く。ビジョンを深める(論理武装する)ための三つの観点=七つのポイント(76ページ)は参考になるし、論理的に物事を進めた結果として誰かを悪物にしてしまうことがあるとうまくない(131ページ)といったところなど「あるある。気を付けなきゃね」と思ったりもすることもある。だが、そうしたいくつかのところ以外については記述の重複や反復が目立つように感じ、かつ、その意図をつかみ切れなかった(繰り返されたためにぼやけてしまった印象がある)。

著者としては何かもう少し、書き切れていないところがあるのではないか、とつい考えてみたりもしてしまうのだが、単に私が読み取れていないだけかもしれず、そのあたりでピンとこないなという感想になった。