死神の精度→天国の本屋
本屋大賞だったかの影響で伊坂幸太郎さんの文庫が並んでいたなかから「死神の精度」と「陽気なギャングが〜」を取って積んでいた中から「死神の〜」のほうを昨日読み終えた。間を開けつつ読むことになったので、全体的な構成を把握し損ねたかも。
これは死神と呼ばれることのある仕事をこなす何者かのお話。人の世界にやってきて、不慮の死を遂げるべく選ばれた人について、そのまま進めて良いかどうかを判定するというのがその仕事。何の調査もしないうちに可(進めろ)判定をする同僚が多いなか、わざわざその人と関わりを持ってから判定しようとする変わり者なのが主人公。
確実に人とは違った流れの中にいる死神を描くとこにより、人の様々な姿態を描いているということなのだろう。実際には行えない、人の生死についての定点観測のような感じがした。
そして、間にラノベを三冊はさんで、今日、朝の電車で「天国の本屋」を読んだ。こちらはラブコメからの流れで。
就職活動に失敗してくさっていた青年が、どうしたわけか天国と呼ばれることのある別世界にまねかれて、その天国の本屋さんでアルバイトをさせられるというお話。本屋なのに朗読サービスがあって、実にいろんな本を読まされることになる。
くさっていた彼は、有無をいわさず連れていかれた天国でも依然としてくさっていたのだが、天国の本屋で仕事(アルバイト)に出会い、人々(まあ天国にいってしまった人々なんだが)に出会い、そうしてだんだんと楽しみを覚えるようになり…… というそんなお話。もちろんある女性にも出会う。
展開は読めるようでいて肝心なところをするっとかわすようなストーリー展開で、30分かせいぜい一時間で読み終えられるようなボリュームなんだけれども、ぐっとひきこまれる。やられた、という感じ。シリーズを読んでおこうと思う(映画もちょっと気になる)。
さて、二冊続けて(間にラノべをはさんでいるけど)みると、はからずも裏表というか、あっちとこっちというかそういう感じになってしまった。方向性はまるで違うかもしれないというか、実際、違うのだろうなとも思うのだけど、どこかつながっていると考えるとそれもまた面白い。