丕緒の鳥 - yom yom vol.6 (2008/3)
yom yom vol.6に収録されている小野不由美さんの十二国記シリーズの一編「丕緒の鳥」を読んだ。
慶国に立った新王の下(の下の……下)で任につく、技術者達の物語。
正確には先代、先々代の治世を経ている人々の物語であって、人々が例の悪政に思いを至すところがあったりと、やはりシリーズの一部を成すものである。が、それはそれとして、技術者(あるいは職人)のある面での物悲しさを現しているようにも思えた。物語上そこのところを独立させることは本当はできないし、そのようにとらえてしまうのは感傷的というか、自己憐憫に通じるようでもあってきまりが悪いのだけど。