きみのためのバラ
ぽっぺん日記@karashi.orgで紹介されていて気になっていたきみのためのバラ[rakuten]を読んだ。
ぽっぺん日記@karashi.orgの書評やamazon.co.jpのレビューを読むと、短い話の中にいろいろな読み方があるのだなと分かる。
私は一つめ「都市生活」と三つめ「連夜」を良いと思った。それぞれ「彼女は思わずふっと笑っていた」「後悔しているという風ではなくて、ただ途方に暮れているみたいでね」というあたりの描写がツボ。登場人物にとっての日常からわずかにズレる感じが、淡々としているようでいて生々しくもある。浮き沈みというようなものよりは、ついと斜めに足を出してしまったような。他のいくつかの話についてもそういう感想を持った。