柏木誠治の生活

sshi.Continualを読んで、柏木誠治の生活柏木誠治の生活[rakuten]を読んだ。

いたって平々凡々なサラリーマン柏木誠治の日常で起こる出来事を丹念に生々しく描いたお話。派手なことはいっさいなんにも起こらず、小説とは思えないほど些細な些細な出来事しか起こらない。 なんにも起こらないんだけどこれが面白い。清水義範の愛情こもった細かい描写を読んでいるうちに、柏木お父さんの生々しい日常がすっとしみこんできた。

[柏木誠治の生活 - sshi.Continualより引用]

たしかに文庫は入手できないようだったが、単行本はまだ入手できた。おそらく同じ内容だと思うが確認できない。

他の小説で起きるような「事件」は起きないものの、それでも事件は起きているのではないかなと思った。ただ、それは解決して(できて)終わりというものではないので、そう考えるとやっぱり事件ではないのかなとも思った。あるいは切り取り方の違いなのかもしれない。

くいつくような面白さではないが、何かひかれるようなお話。ここでの主人公は中年にさしかかったあたりにいるが、いろいろな世代でのこういうお話があればそれらも読んでみたい。