嗜癖する社会

おなかいたいので寝ころがって嗜癖する社会嗜癖する社会[rakuten]を読もうとがんばったんだけど、どうも偏りがアレで難しい。四章構成のうち、一、二、四章を読んだ。三章は現時点では断念というかスキップした。

一つには視点が(おそらく)アメリカに依りきっているので理解しにくいところがあるということ。社会システムの様態だけではなくて考え方とか人間関係についても。まあ、ある程度はしょうがないし、アメリカ人に向けて書かれているのかもしれない。

もう一つ、著者は現行の社会システム自体が唯一性を主張していて他のシステムの存在すら認めようとしないと非難している。そこで著者は第三のシステムの必要性をうったえるわけなのだけど、この本ではそのシステムについて具体的なものであれ概念的なものであれ、手掛かりをほとんど示していない。にも関わらず、現行システムはもうダメなものあって、人々は第三のシステムの中で生きるべきだとまで述べている。

そんなわけで、この本だけを読むとわりと明確に自己矛盾を起こしているように思える。実際には関連書籍がいくつか(少なくとも先行書籍が一つは) あるようで、そちらとの関係のもとである部分に特に注目したのが本書なのかなという感じもあるのだけれども、いかにももどかしい。

その他、思想的すぎる感じもあるし、一方でアメリカ(西洋)以外の思想について謙虚さがない感じもある。また、本論に対して不必要に性差の問題を下敷にしようとしている(におわそうとする、誘導しようとする)感じもある——私が知らなすぎるためにそう思ってしまうのかもしれないけれど。

ヒントは得られそうなのだけど、記述は混乱していて、エッセンスを取り出すにはどうやらもっと予備知識が必要っぽくて、率直に言えばイラッとする。なんかそんな感じ。今の私には難しすぎたかも。他の本を読んでまた戻ってみるかな、などと思う。