生物と無生物のあいだ

福岡伸一さんの生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)生物と無生物のあいだ[rakuten]を読み始めた。だいたい1/3くらい。大変面白い。

科学技術系の読み物ではあるのだけど、その種の知識がなくても読めるし、ある面ではシリアスなミステリ物と表現してもさしつかえないのではないかと思う。そしてその舞台は私達のリアルな世界である。改めてふりかえるまでもなく、そして比喩でもなく、この本を読んでいるワタシが舞台である。そんな本。

私自身は技術者ではあると思うけど科学者ではない。だけれども、科学者の言動の原理というか根拠というか動機付けというか、そういうのは少しは分かる。だからこの本を読んでいると、ある部分ですごく身近に感じたりすることもある。また、そうでない部分については科学者達の実像をかいま見ることになる。

なんていうか、こういう新書というスタイルで、かつ、いかにも科学技術でございますとうタイトルではなくて、文庫とか単行本とかのスタイルで、少しひねったタイトルにしておいたほうが広く読まれることになったりしないだろうか。もっとも、もしもそうであったなら、私自身が手に取る機会がずいぶん遅れてしまっていたかもしれないのだけど。