「コイノカオリ」と「この本が、世界に存在することに」

ずっとドリル漬けというのは無理そうなので読みかけのままずいぶんほったらかしてしまっていたコイノカオリコイノカオリ[rakuten]を再開した。

この本はスコーレNo.4の宮下さんの短編目当てに買ったもので、栞を探せばちょうど読み終えたところで見つかった。残りあと一編なのに放置していたというのが、我ながら、なんとも……。

最後の一編をあっさり読み終えて、とはいかず、この話がなかなかに思い巡らさせられるものだった。他の話の細かな内容は消しとんでしまっていて思い出せないけれど、それまでにも書名から最初に受けた印象の裏を突くような編集だなと感じたことは思い出した(といって外れているわけではない)。最後の一編を読んでもその印象は変わらず。

で、続けてこの本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)この本が、世界に存在することに[rakuten]を読み始めた。角田光代さん。

あまり読んだことのなかった方なのだけど、大変読み易いのに奥行きがたっぷりとある文章だなと思った。これも短編集で四本目まで読んだところ。ここまででは四本目の「彼と私の本棚」がいちばんぐっときた。

本棚の本の並びをきっかけとした男女の話。相手が同性であれ、異性であれ、こういう相手に出会ったことはなかったので憧れがある。だからかな。もっとも、語り合えるほどに本を読み込んでいるかっていうとどうかなあと自らを思いもする。ま、そうだからなおさらなのかも。