ネコを撮る
中野さんにおしえてもらって知った、岩合光昭さんのネコを撮る[rakuten]を読んだ。というか見た。
岩合さんといえば街中などにいるネコの写真が最初に思いうかぶ。この本では彼がどのようにしてネコを撮っているのか、その一端を解説しようとするもので、実際にどんな状況でどんな写真をとったのかが写真とともに示される。
とはいうものの、この本を読んでネコの写真を撮る腕が上がるかというと、そんなことはないんじゃないかと思う。テクニックとかコツというような部分よりも、岩合さんがどんなことを考えながらネコと触れ合い、そして写真を撮らせてもらってきたかが語られている。それらは岩合さんにとっての方法論で、参考にできる点はもちろんあるのだろうけど、やっぱり現場に行く人それぞれに委ねられる部分の幅が大きいはず(カメラに詳しいわけじゃないけど)。
本書は新書という形でリリースされているため、掲載されている写真は多数あるもののカラーは冒頭の数ページだけ、続く部分の紙質は通常のもの、という、写真を見るにはずいぶんな環境になっている。なのだけど、それでも楽しめるのはさすがだと思った。ご本人による回想あるいは解説付きだとはいえ。
というわけで、帯に栞までネコづくしのこの本は写真を撮るネコ好きにはもちろんのこと、写真を撮らないネコ好きにもおすすめです。