スコーレNo.4

宮下奈都さんのスコーレNo.4を読んでいる。今のところ3/4ほど読み終えていて、次がNo.4というところ。

淡々としているような文章なのに起伏がダイレクトに伝わってくるような、ちょっと不思議な雰囲気がある(20ページの土手の描写が好き)。

姉妹、家族、恋人、仕事、同僚、顧客、物との距離感あるいはパーソナルスペースの取り方のようなものに悩むというのはきっと誰にでもあるのではないかと思う。悩んでだ上で乗り越えるとか、のりこなすとか、逃避するとか、並行移動とか、他のいろんなリアクションが考えられる中には何もできないというのもあるのかなあと、割と自分のこととして考えてみたりしている。ま、中には悩まずこなせる人もいるのだろうけど、と考えると複雑な気分にもなるが。

これを読んでいて、今の仕事、というか職種について少し道を誤った——とまではいかないまでも、いくらか逸れてしまったのかなと思った。より強く興味を持っていたのは(持っているのは)今やっているコレじゃないのかも。そんな気がする。だとするともっとコアな道を目指すべきだったんじゃないかな、なんて。もっとも、その中に挙がる道々といったところで大変に狭いエリアに入ってしまうものなので、それ自体がどうなのよって気もしている。

それにしても(この時点での)彼氏、ダメなやつだな。どこか自分を見てるみたいで苦笑いするしかない感じがダメっぷりを上げている。

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スコーレNo.4 宮下 奈都 (2007)