ツ、イ、ラ、ク

姫野カオルコさんのツ、イ、ラ、クを読み始めた。今のところ3/5くらいまで。

小学二年生から始まって、今のところ中学二年生まで。女の子たちが変化していく様を描写している。とりわけ愛憎事情に強くフォーカスを当てている。主人公たる一人の女の子はいるのだけで、同級生たちにも当分に機会が与えられ、それなりの幅を持って彼女らの生態が綴られているよう。

むろん、彼女らを取り巻く男の子たちもいるわけなんだけれど、そのころの男の子たちときたら、もう、ねえ。自分のことを振り返ってみても実にその通りといった有様なわけで。本書の記述がいかばかりの真実味を含みうるのかというのは、まず、知りようがないのだけれど、水準の違いに感心するようでもあり、ある種の冷静さがややもすれば恐ろしいようでもあり、単純にまいったなあという気分になるようでもある。

表現される事柄は、やっぱりどこかなにかで見たり聴いたり読んだりしたものではあるのだけど、そのように思ってしまうように瑞々しく、あるいは、生々しく描かれている。一方で、性表現は直接的ではなく艶かしいとは言えるかもしれないが、それでもなお「上半身」の範疇なのかなと思える(「上半身」の遣い方、あってるかなあ?)。

女性が読むのと男性が読むのとで、印象も感想も、受け取るかもしれない他の何かも、大きく違いそうな気がする一冊。とはいえ、そのような考え方もまた違うんだろうなと思わされる一冊。もっともまだ読みかけだけど。

ふと、振り返ってみると、性に興味を持ったのはずいぶん子供の頃(小学低学年とかその前とか)だったように思うのだけど、女性に興味を抱くようになったのはずいぶん後(中学生の後半か高校生くらい)になってからだったなあ。その間に女性(からの関心)を意識するようになって、積極的な興味に変わるまでの時間もそれなりにかかったような。ギャップがあるんですな。というかあったんですな。まあ、だからどうだってことでもないんだけど。

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ツ、イ、ラ、ク 姫野 カオルコ 2003