さよなら妖精

「哲学的意味がありますか?」というフレーズとともに紹介されていて、それに惹かれてさよなら妖精 (創元推理文庫)さよなら妖精[rakuten]読み始めた。

日本の地方都市に住む高校生が同世代の外国人女性と出会うところから話が始まる。外国人の目で見、理解する作業に関わる中で、自らにもフィードバックしていく。限られた期間を過ごし、やがて女性は母国に帰っていく。

一息に読んだ。主人公の行動に載せられて、彼らが過ごした日々を振り返る気分になっていた。ページを戻すことで日記を読み返すように振り返ることができるわけで、実際、少しだけそうした。

フレーズという点で言えば、他にも残るフレーズがあって、その意味を読後に捉え直してみたりしてた。

明確な意図を持っていると、物事の見え方は違ってくるのだな、と。また、置かれた状況に応じて見えるものが違ってくるのだな、と。そんなことを考えた。いわずもがな、だけど。

立場が違えば、思いがけない物事から思いがけない物事を得るということもあるのだな、と、そう思えば、それはしかし、当人にしてみれば思いがけないことでもなんでもないのかもしれず、してみると、そういった見えるものばかりが見えるというところからは離れ難いのかなとも。