バカはなおせる
この本を買う少し前に書店店頭で見かけたのに、タイトルが「いかにも」だったので手にとることもなく通りすぎていた。が、こちらの記事を読んで興味を持ち、読み終えてみれば面白い本だった。
ただ、やはりこのタイトルはどうかなあと思うし、ASCIIのこの本ページの「担当編集者より」の記述なんかはちょっと煽り過ぎなんじゃないかと思う。実際の内容はもう少し着実で、近年こういうことが分かってきて、あるいは観測されているのでこういうことは言えるが、ここから先のことは分からないといった書き方がされている(もっとも、あくまで素人向けに書かれているので、相応のレベルではしょって書かれている)。
目をひきたいというところはあると思うし、一通り読み終えるとタイトル自体がすごくバランスを欠いているということもないかなと思えるのだけど、それでもこれじゃあちょっと損をしやしないかと、まあ、余計なお世話なんだけど、そんなふうに思う。
全体として書かれているのは、どういう形で脳の機能を発展あるいは維持させるのかについての現時点での筆者による提案と、何らかの問題が起きてしまったときにどういう対策(リハビリなどを含む治療方法)が考えられ得るのかということだと思う。どちらについても世間一般に広まっている(つまりときおり耳にするような)意見とは大きく違うところもあって、そういう部分を見られるだけでも読んでみてよかった。
ふりかえってみると、親が(もちろん自分も)年齢を重ねていくなかで起き得る変化であり、さてどうしたものかと少し考えさせられるものでもあったのだが、とりあえずは「ころばないようにね」と言ってみるかと、まあ、そんなことを考えた。
なお、ASCIIのもう一つのページで一部立ち読みができるようになっている。