入門Debianパッケージについて

[入門] Debian パッケージ[入門] Debianパッケージ[rakuten]は今日発売です。よろしくお願いします。

全体で四つの部分から構成されています。一章ではDebian GNU/Linux自体を概観しています。社会的側面と技術的側面からこのディストリビューションの特徴を述べます。これは後続の章のためのウォーミングアップにあたります。

二章では日常的なパッケージの扱い方について述べます。ここではapt-getコマンドやapt-cacheコマンド、その他のAPT関連ツールを中心に話を進めています。シンプルなインストール、アップグレード、削除といったところから始めて、継続的な管理作業や複数ホストを管理する場合のヒントとなるツール類の使い方なども扱います。APT関連ツールの中では、特にaptitudeコマンドの説明(コマンドラインからの使い方)にページを割いています。

三章では視点をAPTよりも少し低いレベルに移します。dpkgコマンドやその他のdpkg-*コマンドを話題の中心として、各種コマンドの使い方からインストール時などに行われるファイル操作の詳細、メンテナスクリプトの起動のされ方などまで説明します。この章のある程度は詳細なシステム管理のためのヒントを提供し、またある程度はパッケージ作成へとつながるdebパッケージにまつわる詳細な情報を提供します。

最後の四章ではパッケージの作り方について述べます。debhelper、dpatch、cdbsなどによるパッケージングの手法やメンテナスクリプトの書き方、debconfの使い方や作成したパッケージの配布方法などを扱います。

全体を通して読み進めるにしたがって奥まった話題に踏み込んでいく形で配置していますが、できる限り、必要なところだけ拾って読むこともできるように配慮したつもりです。二章は多くのDebianユーザ(あるいはAPTユーザ)にとってすぐに役立つ情報を集めるように心がけました。三章はどちらかというと痒いところに手を伸ばすための情報といえますが、多くのDebianユーザに有用であるように心がけました。

全体を通して監修を鵜飼さんにお願いしました。スケジュール的にかなり無理をお願いしてしまいましたが、そんな状況にもかかわらず全体を通して的確なコメントをしてくださいました。ありがとうございます。

ちなみにカバーの写真はオーストラリアの海なんだそうです。編集さんとデザイナーさんが作ってくださいました。個人的には大変気に入っています。