「私」と円紫師匠シリーズ
猫丸先輩シリーズの一冊を読んで、そこから遡って猫丸先輩初登場となる話が収録されている「五十円玉二十枚の謎」にあたり、その中の他の作家さんの作品中に何度か出てくる作家のモデルである北村薫という人の特徴であるらしい作風に興味を持った。
- 1989-03 空飛ぶ馬[rakuten](文庫版1994-03)
- 1990-01 夜の蝉[rakuten](文庫版1996-02)
- 1991-02 秋の花[rakuten](文庫版1997-02)
- 1992-04 六の宮の姫君[rakuten](文庫版1999-06)
- 1998-04 朝霧[rakuten](文庫版2004-04)





最初に手を出したのは、「私」と落語家の円紫師匠が日常の謎にいどむシリーズで、極端な事件にいどむわけでは(必ずしも)ないという点で猫丸先輩シリーズとも共通する部分がある。
謎解き自体はあっさりとしていることが多くて、解くというより明かすという感じもする。が、つまりポイントは謎解き自体にあるわけではないということでもあって、実際、出てくる人々の動きに引き込まれるような気分になる。
と、言ってもまだ二冊目を読み終えたところ。この中では「いいんだよ、貧しいんだろう。遠慮すんなよ」というセリフが出るシーンのあたりが、ストーリーの上でのポイントとなるわけではないのだけど、とても印象に残った。