「やる気」という点に関してどういう考え方があるのかなというところに興味があって
モチベーション入門[rakuten]を読んだ。自己啓発系でなく、分量が小さめで、Amazon.co.jpのレビューで比較的評価されていたので最初にこの本をあたってみた。
出版時期からいって内容が古くなっていそうだなというのは覚悟していて、実際、記述が古い、というか「古くさい」ところはやや目立つ。まあ、それはしょうがないことなので構わない。だが、そういう点を除いたとしても、なお本文が読みづらいのが困る。結局、いろんな研究活動がされてきたのかなあ、くらいの感想を持つのがせいぜい。
おそらく出版当初であれば研究動向を知ることができたりしたのかもしれないが、今となっては状況が変わっているかもしれない、というより変わっていると思う(もしくは本書で紹介されていない批判があると思う)。もう少し新しめの情報にあたったほうが良さそう。
で、どんな感じなのかと言うと、たとえば、以下はIV章の冒頭の記述だが、こういう、個々の文章は難しくないのだけどそれぞれの関係が判然としないというような(ときにはポイントをぼかすような)記述がそこかしこにある。
この章では、モチベーションを向上させるために、どのような工夫、あるいは、管理の手法があるかを考えたいと思います。といっても、あらゆる組織開発の考え方はすべて、生産性や組織効率を向上させるために、ヒトの努力をいかに上手に引き出し集約するかということを基本的な課題としているので、モチベーション管理そのものであるといっても過言ではありません。
[モチベーション入門 - IV モチベーション管理の手法 157ページより引用]
リッカートは、組織風土について新しい提案をしました。(略)組織には、いくつかの類型があるとし、厳密なコチコチの上意下達の官僚制から、働いている人たちが自らの意思を反映できるような参加型の組織まで、システム1からシステム4までの四つに区分をします。その四つ目の参加重視の組織風土をシステム4として定義するのです。この参加型の風土こそがメンバーの動機づけを高め、組織の成果の向上に寄与すると考えたのです。
[同161ページより引用] また、二つめの部分については「参加」が重要だということがこの引用の少し前で述べられているため単なる繰り返しでもある*1。こういった繰り返し、またはよく似た記述が重なるところも多く、その都度、どこが新しい記述なのか探さねばならない。 その他、示される図のかなり多くが理解を助けるようなものではない(それはそれで読み解かねばならない)ことや、その図が学説などの説明に関するものだった場合に原典からの引用なのか著者によるものなのか判断が付かないといったあたりにも困惑させられる。 (しかし、同じ著者の本はおおむね評価されているんだよなあ…… 私の読み方が甘いのだろうか。うーん。)
*1 「リッカート」による説明という点からするとまったくの繰り返しとは言えないのだけど、この本としてはほんの少し前の記述の繰り返しになっている。 </div>