書評の書き方
たださんの書評を読んで「おお、こういうのが書評なのだな」と今さらながら気付いた。
いろんなことに気付くたびに自分で文章を書くというのが恐ろしくなってくる。まあ、それはさておき。実のところ書評を読むときにそれが書評だということを意識していたことはなかったように思える。書くときも同じ。と、なれば、書くものが「書評」になることはまずない。いいとこ読書感想文だろう。
で、どういうのが「書評」と呼べるのかについて改めて調べてみた。といっても検索しただけなのだけど。書評の書き方について述べられているサイトのなかでもソキウスの社会学の作法・初級編【改訂版】の「五 レポートの作法——どう書くか」の「書評を書く」という部分の説明がよさそうだ。
では、課題図書を読むレポートの場合、何が求められているか。
簡潔にいおう。それは「書評」(book review)である。書評とは、(1)本の紹介をし、(2)その重要な論点を整理して、(3)各論点について自分なりに考察することである。したがって書評レポートのアウトライン・フォーマットもだいたいこの三部構成になる。
(1)本の紹介--著者はこの本で(a)何について(テーマ)(b)どのようなアプローチで(方法・着想)(c)いかなる主張や結論をだしているか。目次を眺めながら、思いきりよくまとめる。
(2)論点の提示--著者にとって重要な論点と、自分にとって重要と思われる論点を明確に提示する。あわせて三点程度に集約させるのが無難。「第一に」「第二に」とパラグラフ(段落)を分ける。
(3)考察--各論点について論評する。これは各論点を提示した直後にそれぞれ論評してもよいし、あとでまとめて論評してもかまわない。論点によっては、さしてコメントすることもないものもあるだろうから、そういうものについては丹念に要約しておけばよい。ただし一点ぐらいは若干のこだわりをもって議論してみよう。
雑誌などに掲載されている書評の中には、その書評がおもしろい(たださんの書評もそうだ)というものがあって興味深い。……というのは書評の書き方を調べている中で見付けたライターになる![amazon]の該当部分を読んではじめて意識したことなのだけど、そうなってみると今度は「書評」を(も)読んでみたくなる。同書にはいくつかの誌名、書名が挙げられているので、近いうちにあたってみよう。