箱根旅行

一日目

小田原

横浜から一時間ほど。天気が良く、少し暑い。

小田原駅では箱根ウィークデーパスを買った。平日二日有効で大人一人3,410円。小田原〜箱根湯本と箱根周辺の電車、バス、船、ロープウェィ、ケーブルカーに乗り放題。箱根をぐるっとまわる、おそらく定番のコースを一周すれば十分にモトがとれる。各交通機関を乗り下りすることを考えると、一周しなくてもモトはとれるだろう。おまけに、箱根のいろいろなとこで使えるクーポンも付いている。

なお、箱根には伊豆箱根系という別の系統の乗り物もあって、こちらには乗ることができない。

箱根のお月さま。

箱根湯本あたりになると横浜よりはこころもちすずしいようだ。

駅前のお土産物屋をひやかし、試食をくり返しながらぶらぶら。多くの種類がならぶ饅頭や干物の中で、心動かされたのはまんじゅう屋 菜の花で作っている「箱根のお月さま。」。濃い茶色の少し厚めの皮の中にこし餡が入ったもので、味は、どうだろう。もちろん初めて食べたのだけど、食べなれている感じがして、個人的には気にいった。おいしい。というのは、私の故郷では有名な饅頭である山本おたふく堂の「ふろしき饅頭」によく似ていたから。ふろしき饅頭の餡のほうがもう少し濃い感じだけど、皮の感じが似ているのかな。

時刻もよい頃合いになったので、ガイドブックを見て目をつけていた豆腐料理の店(知客茶家)を目指す。が、残念なことにこの日は休業だったため、次点のはつ花そばに行くことにした。とろろのかかったそばが名物らしい。店内に入るまで20分ほど、料理が出てくるまで10分ほど待ったかな。温いのと冷たいのとたのんだ。味はまあ普通。期待したほどではなかった。ここは箱根ウィークデーパスのクーポンが使えるお店で、特典内容はそばつゆ一缶。二〜三人前で、店内で300円で売っていた。さっそくクーポンを使う。二人分で二缶もらった。

箱根登山鉄道

食事を終えてまたぶらぶら。歩いているとさっき土産物屋で試食した「箱根のお月さま。」を作っている「菜の花」の店舗を発見。立ち寄って他の商品を見ていると、ここでも「箱根のお月さま。」の試食をすすめられた。が、さっきは1/4だったのに対してここでは丸ごと一個、包装してある状態でいただけた。

さらにその近くを歩いて「茶房うちだ」という抹茶をいただける喫茶にいって、また食べつつ、1時間ばかりだらだら過ごす。

来た道をたどって箱根湯本駅に戻り、箱根登山鉄道に乗って今日の宿のある強羅方面に移動。ホームにはオレンジ色の小さな電車がいたのでそれに乗り込む。なんでも三度のスイッチバックを繰り返して登っていくのだそうだ。スイッチバックの際には、その都度、運転手と車掌が前後を入れ替わる。

みどりみどりみどりの中をぐんぐん登る。けっこうな角度のところもあって、わずかのうちにかなりの高さに。

強羅〜早雲山

強羅。ここで一度おりて和菓子屋さんに寄りたかったのだけど、行ってみるとすにに終了したとのこと。ここでも残念な思いをする。一度宿に連絡を入れておこうと電話してみると、もう近くなので迎えに来てくださるとか。でもせっかくなのでケーブルカーで最寄りの駅まで行って、そこから歩くことにした。

白湯の宿 山田家

早雲山の駅を出るとにわかに硫黄臭。風向きによって一瞬感じるこがある。駅からそう遠くないはずだよねと歩くこと3分ほど。到着。

そろそろ食事の時刻ということでお茶をいただきながら料理を待つ。味のほうはほどほど。天麸羅の中にいちじくがあって、これはなかなかおいしかった。だが、ここでの本当の目当ては、風呂。紹介によれば一面寄木細工でできた壁があるとあって、それを見てみたくてここに決めた。

実際には壁が全部寄木細工になっているというのではなくて、2m×2mくらいの寄木細工でできたパネルが四つ、露天風呂の壁をカバーしているという感じになっている。それでも露天風呂の壁のほとんどを占めていたし、これはガイドにはなかったのだけど、天井にも同じくらいの大きさの寄木細工のパネルが一つ配置されていたりもして、おおいに楽しめた。パネルの一部は寄木の絵だったりもする。

時間帯がちょうどずれたのか他の客はおらず、思いのほかくつろげた。広い風呂でゆっくりというのはよいものだ。ちなみにこの宿の温泉は循環式ではないとのこと。

二日目

チェックアウト

今日も良い天気。普段よりも早寝早起きをして、朝から温泉。今回も風呂を一人占め。朝食を部屋でいただき、チェックアウトの準備。10時ぎりぎりにチェックアウトして、駅まで歩く。早雲山駅までなら車で送っていただけるとのことだったが、3分ほどだしね。

ロープウェイ

昨夜たてた予定に従って、まずはロープウェイで桃源台を目指す。

朝は良い天気だったのだけど、ロープウェイに乗り込む頃には少し雲りがちになってしまった。あまり気にせずロープウェイに乗ったのだが、高度的に最も高い大涌谷にさしかかるあたりで、かなりあやしい天気になってきた。風が強くて箱がゆれるし、にわかに雲がかかってきて暗くなる。おまけに下には何もないので結構こわい。もちろん無事に通り抜けたのだけど。

耕雲庵しぐれ茶屋

桃源台についたらすぐにバスに乗って仙石原へ。途中通過した仙石台あたりではバスの中から一面ススキにおおわれた景色を見られた。まだ緑が目立ったが、もう少し遅い時期ならもっと白くなったりするのかな。

仙石案内所前でバスを下り、抹茶と和菓子を求めて耕雲庵しぐれ茶屋へ。5分程歩いて到着。愛想が良いとは言えない店員さんにお願いして抹茶と和菓子のセットをいただく。抹茶のほかにほうじ茶と漬物が付いていてなかなか良い。和菓子は普通の生菓子と栗きんとんをセレクト。栗きんとんには渋皮が少し入っているほか、栗の実をくだいた粒が入っていて面白い。おいしいし食べやすい味だけど、個人的にはふるや古賀音庵のもののほうが(もう少しクセが強いが)よりおいしいと思う。

このセットにはセレクトできる菓子以外にもう一種類菓子がついて、それが「霧しぐれ」。小さな餅を餡でくるんだもので、こちらがこの店の名物のようだ。

セレクトする和菓子によって多少値段が変わるが、だいたい800円前後。好みはあるにせよ、おいしいし割り高感はない。あえて文句をつけるとすると、菓子の下に敷いてある葉っぱが作りものなのがやや興ざめだというところかな。こんなのはないほうが良い。

船で箱根町へ

来た道をたどって、またバスに乗って桃源台へ。

仙石案内所前のバス停に戻った時刻はバスが来る5分程前で、ちょうど良いタイミングだねと話していたのだけど、一向にバスが来ない。結局15分かそこら待ったところで、次に来るはずバスと一緒にやってきたバスに乗った。

桃源台に付くと、何やらあわだたしい雰囲気。あわてて船の乗り場に向かうと、あと5分とたたずに船が出るというところ。あわただしく船に乗り込んだ。天気がいまひとつで残念。

船は桃源台→箱根町→元箱根→桃源台という順番にまわっていて、ウィークデーパス(など)ならこれも乗り放題。元箱根と箱根町と、どちらにも行ってみたかったので先に着いた箱根町でいったん下船した。ぶらぶらと歩きながら次なる目的地であるレストランブライトへ。ガイドではデザートがおいそうだったのだけど、これはハズレだった。食事のほうは分からないけど、デザートは甘すぎ、コーヒーは作りおきで、どこにでもあるドライブインという感じだった。

グレイン

さらに歩くこと10分。箱根湿生花園に。同園には用事はなくて、その付近にあるグレインというレストランに行った。

昼食をどうするかを決めかねていて、店を見て決めることにしていた。で、見てみて、よさそうだったのでここに決定。ちょうど昼時で満席だっため、少し待ったがほどなく入店できた。が、厨房はまだ忙しい様子で、たのんでから料理が出てくるまでにはしばらくかかった(待ちくたびれるという程ではない)。

あっさりめの味付けでおいしかった。

テーブルはゆったりとしていてよのだけど、テーブルを大きく取った分、他の席との間隔がややつまった感じになってしまっているのが少し気になる。でも、機会があったらまた来てもいいな。今回は手を出せなかったデザートも気になるし。

箱根湯本でお土産

レストランブライトを出て、さて元箱根に行こうかどうしようか。でももう食べられないねえ。また今度の機会にしようか。そんな感じで箱根湯本に戻ることにした。

箱根町からは直通のバスがあって、これもパスで乗ることができる。40分少々。

箱根湯本では実家に送る天産を買う。

昨日目を付けていた菜の花の菓子をまず買い、その次に梅干を買おうとお店に向かうと、思いがけず「ちもと」という店がまだやっていた。ガイドによると16:00までとなっていて、この時すでに16:30をまわっていたためあきらめていた。ここには湯もちという菓子があって、どうも気になっていたのである。バラでも買えるとのことなので二つだけ購入した。

帰宅

土産も買ったしじゃあそろそろ帰りますかということで駅。電車にのって小田原へ。小田原からJRに乗り換えて横浜。横浜ルミネで夕食をとって、家に。

追記(2003-09-20): 自分達用に買った菓子は翌日食べた。菜の花で買った「月のうさぎ」には栗が丸ごと入っている。でも、まあ、これはよくある味。期待の「湯もち」は——白玉に細く切った羊羹がつつまれているのだけど、白玉のもちもち感がもう少し強いと良かったかな。それほど甘くはない。一度食べたら満足というところ。