お金がふえるシンプルな考え方

次はお金がふえるシンプルな考え方―マネーのルール24お金がふえるシンプルな考え方[rakuten]を読み始めるかと思ったら一時間ほどで読み終えてしまった。運用にあたっての心構えや各種金融商品の注意点、入門書などで見られる決まり文句への注意などが簡単な言葉で説明されている。どういう家計の状況において、どのくらいの資金を運用にまわしてもよいかの(著者の考える)目安などは直接的に参考になる。

資産運用を具体的に始めようとしていて、その手の情報をひと渡り集めたというときに、他の情報と併せて読んでおくと良さそうな本だと思う。他の情報に対するチェックにもなる。多少の知識と実感が伴わないとやや難しいかもしれないので、最初の一冊として読むのには適さないかもしれないが、実際に始める前には読んでおくべきだと思った*1

ただ、文章的にはちょっと分かりにくいところがある。十分な説明なしに、あるいは流れの中でずるずると例示に入ってしまったりする部分があって、そういうところでは読み返さないと理解しにくかった。また用語の使い方がややおおざっぱな印象もあって、たとえば「期待リターンが6%で一標準偏差(いわゆる一般に言うリスクです)が10%という場合はこんな具合です。…」というような記述があるのだけど、正規分布の説明もグラフによる図解もなくいきなりこの文に出会うと多くの人は面くらってしまうのではないだろうか。

*1 私が実際に「運用」をしているわけではないので、あくまで印象としての話になってしまうのだけど。