聖女の救済
そういうわけで東野圭吾さんの新刊二冊のうちのもう一冊、
聖女の救済[rakuten]を読んだ。
たしか同じ長編である容疑者Xもそうだったと思うのだけど、科学ネタとしての面は短編よりも薄い。原理よりも適用方法や動機を問題とする展開になっている。
感想はシンプル。うまい。特にある場面での間のとり方が絶妙だと思った。展開のさせ方というよりも読み手との呼吸の合わせ方で。
それはそれとして、今回の見どころの一つは対話なのだろうと思う。登場人物同士が立場によって対立し合うというのはよくあるけれど、ちょっと違ってこいて、こでは議論(に近いこと)をしている。
対象を変えながら議論が重ねられ、練り上げられていくのにはもちろんガリレオ先生が一枚かんでいる。そういう点ではレイヤーが一段上がっているのかなと見えるが、そこにさらに一段別のレイヤーをからめながら終局に向かうそのもやもや感が気持ち良かった。
予知夢→ガリレオの苦悩
昨日、東野圭吾さんの
予知夢[rakuten]を読み終えた。印象は探偵ガリレオとあまり変わらず。興味深いとは思うけれど、ややショー的すぎるようにも思った。登場シーンの実験がとってつけたようだったりして、それはもちろんストーリーにかかってくるのだけれども、ボリューム的に難しいところなのかな、と。
そんなことを思いつつ電車を下して書店に行くと、平積みの単行本が目に入る。いきおいにまかせてというか、乗せられてる気がするなあと思いつつ
ガリレオの苦悩[rakuten]とあと一冊を買ってしまった(それと「モダンタイムス」も。「神獣聖戦」も気になったのだけど、なんとかふみとどまった)。
で、今日。がまんできず読み始めて読み終えた。
ガリレオ先生新刊二冊のうちの短編集のほうで、草薙刑事の後輩が新たに(だと思う)登場している。
登場人物が増えたこともあるけど、ストーリーの焦点が背景描写にややシフトしているようで、奥行きがぐんと増したようだ。続けて読んだ既刊の短編二冊と比べても、今回の本はずいぶん面白い。その分、科学ネタの比重は下がっているといえるかもしれないけど、まあ、気にはならない——というのか、もともと科学ネタとしては読んでいなかったので、ごく単純に面白くなったと思った。
実のところ、文庫二冊を読み終えた時点で、容疑者Xを読み返してから映画を見に行っちゃおうかななんて思っていたりしていて、そこにきてこれだと、もう乗せられてもいいかしらという気分になっている。ま、映画はまた別ものかもしれないし、一応は評判を見てみるつもりではいるけれど。
探偵ガリレオ
書店店頭で福山さんの「興味深い」が流れてて、容疑者Xだけ読んでるんだよなーとは思っていたりしたもんで、つい買ってしまった。
容疑者Xは、実は話のスジをもうあんまり覚えてなかったりするのだけど、私のミステリの入口になった本でもあって、すごく面白かった。シリーズものだとも知らなかったのを後になって知った。それこそテレビドラマ化のあたりで。
読んでみた感想は「へー、ほー」かな。ネタの現象自体は多くの人と同じく知ってはいることばかりなので、それ自体に驚きはなかった。手品師のタネあかしを見ている感じに近いと思った。なので、タネのあかし方にひねりがあるともっとのめりこめそうだ。「実際にやってみちゃいました」みたいなのも好きだし。
予知夢も買ったので引き続き読んでみよう。
容疑者xの献身
うひょー、すごい話だ。という感想。もっとも推理小説は、とりわけ長編のような本格的なものはほとんど読まないので他の作品と比べてどのくらいすごいのかは分からないけど。
読みなれてないせいか鈍いせいか(おそらく7:3から6:4で後者)、タネが明かされてからも関係を把握するのにしばし時間がかかっちゃったよ。おまけにいくぶん涙しそうになった。いや、ホントはちょっと泣いた。おどろいて。
この本を入手したのは「博士の愛した数式」+「電車男」というコメントを目にしたのがきっかけ。「電車男」のほうは読んでないけど、噂に聞くイメージと、それからこの本が推理物であるということから、なんというか、こう、「む?」と思い、それがどこかにひっかかって「んじゃま読んでみるか、でも『電車男』を読むのもねえ」ということでこっちにした。著者の本を読むのも初めて(だったと思う)。
結果的には元もとれて良かった良かった、なのではあるが、かつ「電車男」は未読のままなのであるが、やっぱり「博士の愛した数式」+「電車男」は外してやしないのかなと思える。いや「電車男」のほうだけじゃなく。ま、読み方はいろいろだと思うし、自分のそれが正解だとも思わないし、もしかすると「電車男」の内容がもんのすごいアクロバティックなのかもしれないけど。
探偵ガリレオ
容疑者xの献身

