「2003年 自宅サーバのススメ」
少し前のZDNetエンタープライズのLinuxコラムを読んで、少々考えてみた。
自宅サーバ構築について、「よく分かっていない奴がインターネットサーバなんて作っちゃいけない」という基調で話が進んでしまうことがよくありますが、私は「どんどんやるべき派」です。
[ZDNet Japan: Linux Column: 2003年 自宅サーバのススメより引用]
たしかに慎重論がいきおいあまって未経験者排除や禁止にまで向かってしまうことはしばしばある。根拠もなく一律に禁止したり過度におどかしたりするのが状況を良くはしないことは明らかだ。そのままでは未経験者は未経験者のままでしかいられない。
しかし、そうした言葉は未経験者に対する警告の一つであることもまたたしかである。外部に対してサービスを提供するということは、外からくる得体の知れないモノを一旦は受け入れないければならないということであるから、これは本質的に危険をともなう行為といえる。今日では危険の種類も様々であり、万一何か起こったとしても自分一人が泣けば済むとは限らないのである。一人の安易な考えが、他の多くの人々に迷惑をかけてしまうことにもつながりかねない。
こうしてみると、いくら「やってみないと、分かるものも分からない」とは言っても、準備もなく「どんどんやる」だけの者が増えるとなるとそれはやはり問題と言えるだろう。異常事態の起こらないことを前提とした情報がいくら溢れかえってもダメなものはダメである。最初からペーパードライバーを育成するようなものだし、結果的にであったとしても一旦他人に迷惑が及べば「ポジティブ」も何もあったものではない。ころべば他人まで巻き込んでしまうような状況のもと、越えられるかどうかまったくわからないような「高すぎる」「ハードル」に飛びかかるような真似をしておいて、しかもその理由がただ自分の「勉強になる」というのはいかがなものか。
ただ、それではやはり未経験者には禁止しかないのか、というと必ずしもそうではないと思う。自らのリスクは自ら負うのは当然だ。問題は他人への配慮であり、万一の場合に危険を拡散しないための方策を立てておかなくてはならない。たとえば、外部に対する不正アクセスあらかじめできないようにしておいたり、最悪の場合には速やかにネットワークからの隔離ができるようにしておくといったことである。
もちろん有効な方策を立てるためにはそれなりのスキルが必要とされる。未経験者には難しい。しかし運用環境や運用条件をしぼり込んでしまうことによって、ある程度の定型化ができる可能性はある。もっと言えば、そのような機能を備えたネットワークサービスを提供してしまうことが考えられる。ある意味では学習・教育の場の提供と言えるかもしれない。
専門の業者に監査を依頼するという手も考えられるが、一般の家庭で業者に依頼するのはコスト的にもきびしい場合が多い。それと比較して前述のような形での教育の場がリーズナブルに提供できるかどうかはわからないが、一つの手法としては存在し得る。ただしそこまでして、つまり不自由を金で買うようなことまでして、自宅でサーバ運用をしたいという人がいればという条件付きということになる。形態としては面白いのではないかと思うが、このストーリーだけならあまり多くを期待できそうにない。


