\ay日記
2008-05-18
_ 恋空
ともかく読んでみようということで、ケータイ小説にトライしてみた。読んでみたのは昨年最も売れたらしい恋空
(上)
(下)。
まず、想像していたよりも文章はひどくなかった。物語を綴る文章か、というとそうではないけど。小説ではなく、blogでもなく、mixiの日記を読んでいるような感じ。たとえば、「中高生がリアルタイムで書いた日記である」と言われると納得するだろうと思う。中高生一般がそうだというのではなくて、ああそんな日記を書いちゃったことが私にもあります、というような意味で。
物語はトピックを詰め込るだけ詰め込んだという感じで、様々な事件がわりと短い間に起きる。実話をベースにしているそうなので、かなり消耗したにちがいないと想像するのだけど、わりにあっけらかんとしているというか、応えない、そういう感じでもある。また、行動の辻褄が合っていないように見えるところがある上に、物語の視点が主人公の主観から離れないため、主人公も含めてぼんやりしたイメージにしかならないように思える。
先が読める物語は他にもたくさんあるし、そのこと自体は問題ではないが、なんというか、扱っているテーマに反して悪い意味で商業的であるような印象を持ってしまう。こうなると気持ち良いよね、みたいなのが透けて見えるような。
ケータイ小説を読む人々の多くが、一般的な小説をほとんど読んだことがないのだと想定し、飽きさせないことを最優先にしているのだとの考えだとするなら、まあ、そういうものかとも思う。あるいは最も飽きられなかった作品の一つであると考えると。ただ、この本は実話をベースにしていて、著者としては表現したいものがあったのだと主張しているわけで、そこら辺のチグハグな印象はやっぱり出てきてしまう。稚拙なだけ、実話ならなではの混乱、といった見方もありえるとは思うが。
すでにケータイ小説離れが起きつつあるというアンケート結果も出てきているわけで、他の作品もこういう感じのものなら…… といった感もある。
で、面白いのかというと、まあ、面白くはない。
追記: その後、改めてふり返ったというわけではなくて、読後の印象の変化ということなのだけど…… 登場人物の身勝手ぶりと物語上の釈然としない感じがあいまって、露悪的な印象が強まった。胃もたれするような、そんな感じ。

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