プロトコル

投稿者 akira 2008-09-29 15:00:00 GMT

平山瑞穂さんのプロトコルプロトコル[rakuten]を読み終えた。

20代半ばの女性としての、ある種のステレオタイプからは外れた女性として描かれる主人公は、英文や仏文などの文法にこだわってしまうクセがある。生理的にとも表現できるようなこだわりで、それがもともとおかしな文章であったとしても読み解けないことがストレスになる。

また、ラフな服装が許されている職場において、かたくなにスーツ姿をつらぬき、女性として見られる機会を遠ざけたいと考えてもいる。過敏というわけではなく、職場は仕事をするところでありそれに十分な姿、言動であれば良いとする。

そんなクセはあるものの、おおむね自分の中で消化してしまい、おしつけたりしない彼女は、たとえば人づきあいがあまり良くないとは見られても、ひどく逸脱した人物ではない、はずだった。ところが社内での評判がたつようになってしまい、やがてそれが騒動のきっかけとなる。

ちょっとクセがあるけれども、たとえば変わり者と呼べるほどではない。そういう主人公が、主人公らしく考え、行動するお話。彼女はとりわけ考え込むタチであるようで、つい自分で考えてしまう。そういうところについ共感してしまった。あり体に言って色気はないし、かたくなだしで、魅力的であるかというと、そうでもないように思うが、実にその人らしいと感じられる。

プロトコルの意味するところが出てきて、舞台が整うころには、このお話の行き先はなんとなくは分かってしまうのだけれども、その行き先で彼女が経験する感覚は理解できる気がするし、なるほどそうくるかと思った。はたしてそういう経験をしたことがあっただろうかと考えると、ちょっと思い出せないあたりくやしくもあるが。

不粋ながらオチについて言うと、それって時代に逆行してますよね ;-) ま、運用もコミでっていうことならそうでもないけど。

スパイク

投稿者 akira 2008-09-23 15:01:00 GMT

松尾由美さんのスパイク (光文社文庫)スパイク[rakuten]を読んだ。

面白い。

雨恋なんかと同じか、ときによってはこちらのほうが面白い。この著者の本ではSF、あるいはファンタジーがかったミステリばかりを読んでいる。他のタイプの小説もあるのかもしれないけどよく知らない。

うまいなと思うのはSF的、ファンタジー的な設定にはそうつっこまず、不可思議なところはそのままにしてしまうけども、かといってご都合主義的になってしまったり、あるいは破綻してしまったりはしないところ。登場人物たちはそういう不可思義にまきこまれてしまい、時に翻弄されてしまう人々。

たいてい、終盤にさしかかるあたりで物語の行きつく先は見えてくる。ものによってはかなり最初のほうで分かっちゃってたりもする。けれども、その構造——まあ、人々の関係だったり物事の顛末だったりが明らかになるときには、ぐるっとひとまわりして帰ってくるような意外さがある。

その意外さというのも「うわー気付かったかったー」というようなものではなくて、うすうす気付きつつ、ただもうひとつふたつ何か足りないというあたりまで誘導された上でトンと最後の何かを示されるようなもの。「何か」というのは必ずしも真理のようなものではなく、したがって理解というよりも折り合いをつけられるというような感じ。

雨恋や九月の恋と出会うまでを読んで気にいっていて、スパイクはまだという方はぜひ読んでみて。

GNOME-Do

投稿者 akira 2008-09-23 15:00:00 GMT

OpenTechPressの少し前の記事を見て、キーボードで制御できるランチャであるGNOME-Doをインストールしてみた。QuickSilverみたいなもの、らしい。

手元のキーボードにMS-Windowsキーはないのでgconf-editorで<Alt>Homeを起動キーに設定した。設定した後で、最初に出てくるウィンドウから設定できることを知った。記事をよく読んでいなかったので気付かなかった。

それはそれとして、よくよく考えてみるとLinux上でXなプログラムをぱかぱか起動するというようなことはほとんどないかもしれない。端末起動にはショートカットを当てているし。

追記(2008-10-03): 時々、CPUを使い切ろうとする。あんまり使わないし、しばらく落としておこうか。

チャーミングセール初日

投稿者 akira 2008-09-19 15:00:00 GMT

チャーミングセールの初日は心配していた台風の影響もなく、雲が少し出ていたけどまずまず動きやすい天気だった。ゆっくりめの15時すぎたあたりに着くと、さっそくいつも通りのにぎわいにぶつかる。石川町側入ってすぐの上島珈琲には行列が出来ていた。

あちこちで連れられている犬を見ながらうろうろ。洋服など買った。その後で香炉庵でお得なセットを買い、ちょっと疲れたのでkaorisで休憩。店内の席は禁煙だということもあり、ここは定番の店の一つ。ずいぶん久しぶりに行ったのだけど声をかけてもらえた。スパイスの入った紅茶とキャラメルのとを注文、あいかわらずたっぷりのお茶をゆっくりいただいていると、お隣で食事が始まっていいにおいが流れてくる。気になったけどこらえて、また今度にしようねと。Kaorisで一休み

元町もちょこちょこと変わっていくようで、最近だと横浜銀行がビル老朽化とかで移転したり、AIGLEがなくなっていたり。今日見たなかではオリーブバールのあるNiblick(でいいのかな? 洋服屋さん)の改装閉店売りつくしというのがあった。オリーブバールは改装後どうなるんだろ?

今日は猫をよく見る日だった。元町に行く道すがら通りがかった神社の入口に猫がいて、ふらふらとのぞきに行ったら参道が猫いっぱい。人を嫌うでもなく慣れるでもない、でもちょっと気になるなあな感じでふんわりしていた。神社ねこ他に時々見掛ける薬屋さんの猫や、元町の駐車場の猫など。

忘れないと誓ったぼくがいた

投稿者 akira 2008-09-18 15:01:00 GMT

平山瑞穂さんの忘れないと誓ったぼくがいた (新潮文庫)忘れないと誓ったぼくがいた[rakuten]を読んだ。

存在が限りなく希薄になってしまう期間を繰り返し過ごさざるを得なくなってしまった少女と、彼女に出会ってしまった少年の話。

よく聞くような設定だけど小説で読んだというのは考えてみるとなかったような気がする。ドラえもんとかでその種の話があったような。

ポイントは記憶。彼女の存在が希薄となる期間に入ると周囲の人々の記憶も薄まってしまう。これは不可逆変化であるためケアなしに繰り返し経験すると戻らなくなっていく。そんな異常な状況の中で、ごく普通に生きる様子が描かれていて、変な言い方だけど、そういうある部分での盛り上がらなさ具合いが真に迫るような気がする。

わりと気にいったので文庫を一冊仕入れてきた。