あの夏を泳ぐ
ピンクの神様[rakuten]が思いのほかちくちくとダークで当てられそうになったので、松久淳さんと田中渉さんの
あの夏を泳ぐ[rakuten]に避難した。天国の本やシリーズの久しぶりの新刊。
高校で水泳に打ち込んだある女性のものとにヤマキ翁が訪れる。高校で出会った二人はタイムを競うライバルになり、同じくして男性コーチへの想いにおいても意識し合うようになった。そして舞台は数年後の水泳部同窓会から始まる。
さばっさばの二人の女性が打ち込んだ姿がごく素直に描かれている。というのは、実際に思い起こすように、当時の不安、楽しさ、辛さ、反抗心、もしかするとちょっとイタい記憶、そういったものをひっくるめてよい形で掬い上げるようであって、一方で振り返りの気持ちがにじむ。
もちろん、天国の本屋がからむのだから、そうではない何かがひっかかるわけではあって、そこから展開する。今回も先を読める展開ながら、やはりその少し上を行く感じがあって楽しめた。
腕時計の電池カバーを交換した 1
腕時計の電池が切れてしまったので交換しようとしたところ、電池カバーの回す程度を間違えて、というか勘違いしてしまって、回らないところから回そうとしてしまった。ほんの5度ほど回せば良いだけだったのに。
一月ほど前にベルトが切れてしまったときに、どうやら近くで部品の取り扱いがないらしいことが分かっていたので、
マリンコネクション楽天市場店で購入。メール便で届いた。
開けてみたところ、デザインが変わっていた。それに合わせて用意されたらしい開閉用の道具も付いていた。さっそくこれを使って電池を交換し、X6が無事復活。
時間はどこで生まれるのか
橋元淳一郎さんの
時間はどこで生まれるのか[rakuten]を読んだ。
日常の中で感じるような「時間」の起源を物理学から考える本。その前提、おさらいとして相対論、量子論、エンロピーを扱ってから本論に入る、という構成なのだけど、その段階でついていくのにちょっぴりきびしい感じになった。自分の物理素養のなさにほとほとあきれる。
また、著者の意図は、現代の物理学を下敷きにした新たな哲学的時間論の登場を期待するというところにある。そのため、触れられる話題の範囲も広いわけだが、伝統的な(?)哲学的時間論の様子を知らないので、哲学ではどのように扱われているのかという対比が出来なかったのが残念。むろん、そこのところは本書のカバーするところではないので単に私の勉強不足。
まあそんなでも言わんとすることはなんとなくイメージできた、気にはなれた。必要なところを補った上で、もう一度読んでみたい。
この本の良かったのはガイド付きで次に読む本を紹介してくれているところ。
数々の時間論を網羅的に紹介する「時間——その哲学的考察」、本書と同じく物理学からの時間論を考える「時間の歴史——物理学を貫くもの」、本書でも触れられているマクダガートを詳しく扱った「時間は実在するか」、仏教の先新的な考え方を扱う「唯識の構造」といったあたりを読んでみたい。が、前二者はすでに入手困難な様子。
ホントこの手の本はすぐなくなる。困ったものだ。
かくれオタク9割
Ar-さんの記事で知って、読むつもりで買っておきながら、書名の印象から二ヶ月かそこら積んでしまっていた杉浦由美子さんの
かくれオタク9割をようやく読んだ。
内容は、バブル終焉当時に就職をした世代およびそれよりも下の世代の購買意識の実態を分析するというもの。そうした意識を支える志向とか生活スタイルも扱う。だから、現時点で20代前後から、私よりもちょっと下あたりがテーマの対象となる。
書名で「オタク」といいつつも、従来のいわゆる「オタク」としてくくられるようなマイノリティとしての立場を明確にできるような人々はひどく減少していて、すでに自分に好ましいもの(商品、仕事、生活、……)を求めるという点では、広くそのようになっていると述べている。まあ、みんな「オタク」であると。このあたりは開き直りという感じもする。
それはともかくとして、本書で興味深かったのは、バブル以降の労働環境の捉え方の違い。
会社組織の高齢化により、バブル頃までの世代がつっかえていること、同世代によるスキルのにぎり込み(若い世代にスキルを渡さない)、市場分析の恣意的運用、などにより、若い世代はそれ以前にくらべて非常に制限された環境にあるというようなことを思っている。つまり、経済面ではもちろん、仕事を楽しむという面でも状況は悪化していると思っている。
だが、本書によると、というか本書を読んだ印象では、こと女性についていうと良くはなっていないにせよ、バブル以前の状況と比較して、誤解を恐れずにいうなら差し引きゼロといったところであるようだ。こういう見方は率直にいってまったくなかったので、とりわけ面白く読むことができた。もっとも、扱われている世代の女性がこの本をどう読むとどう感じるのかも興味深いところであるが。
記述は女性についてのものがほとんどで、彼女らを通して同世代の男性が多少出てくる程度であるという偏りはあるが、全体として私自身よりも少し下の世代の、ある一面ではあるかもしれないが、意識の有り様に触れられたようで面白かった。それとともに、思っていた以上に、認識が乖離していたことには自分自身にちょっとがっかりした。
陽気なギャングが地球を回す
伊坂幸太郎さんの
陽気なギャングが地球を回す[rakuten]を読んだ。
よくできた物語だと思う。読み進めながらその先の展開は予想できる。ただ、どうやって、どうなって、はうまくはぐらかしてくれるので楽しめた。現場での各人各様の仲間意識からくる、ギャングすることの楽しさが伝わってくる。


