Debian stable(squeeze)→testing(wheezy)にした

ふと思いついて、作業用のPCの環境をDebian stable(squeeze)からtesting(wheezy)に更新した。uimのバージョンが古いのがちょっと辛くなってきたなと、最近そう思うようになったのもあるが、やはりなんとなくの思いつき。

ともかくaptitude dist-upgradeだと始めた。が、さすがはtesting。パッケージの依存関係の整理がつかず、うまく実行できなかった。そこで特に問題になっていそうなパッケージをねらって更新しようしたところ、これまた失敗。いくつかのパッケージが中途半端な状態になってしまった。

仕方ないのでapt-get dist-upgradeでできるところからパッケージを更新することにした。十いくつかのパッケージが削除されてしまうが、また必要になったときにインストールし直せばいいだろうと思うことにして無視。そのまま進めた。

経過を見守ることしばし。意外と順調に進んでいるなと思っていた。しかし、エラーが発生してあえなく中断。調整して再トライしようとしたのだが、なんと、sudoパッケージの更新が途中止めになっていた。/etc/sudoersが退避されていて、sudoが使えないという。なんてこった!

……というほどのこともなく。実は、この環境は作業するときにだけ使うものであるため、普通にsu rootできるようにしており困ったことにはならなかった。もちろん、久しぶりの大更新であったとはいえ、rootシェルをキープしておかなかったのはうかつだったが。

そんなこんなでdist-upgradeを完了した。二、三のトラブルはあったものの、予想外にすんなりアップグレードできた。

パッケージ更新はうまくいったものの、数か月もリブートしていないマシンである。kernelが大きく変わっているわけで、毎度のことながら果たして再起動してきてくれるであろうかと思いつつshutdownをかける。

ドキドキしながら見守っていたところgrubの起動からLinuxの起動へとスムーズに進行する。ほっとしたところで、そうだったと思い出すのがfsck。ああ、そうだなあ、と思いつつ、fsckが終わるのを待った。妙に遅いディスクを使っている関係で、たいした容量でもないのだけど30分かそこらかかった。

次に危惧していたのが果たしてXは立ち上がるだろうかということ。こちらは、残念ながら立ち上がってくれなかった。というのもRADEONドライバが失われていたためで、これはある程度事前にわかっていた。

これまでfglrx-driverパッケージを使っていたのだが、同パッケージ(のupstream)の更新により古いATIカードがサポートされなくなったそうだ。パッケージ更新中にもそのことは検知されていて、xserver-xorg-video-radeonパッケージのドライバを使えと通知があった。そこでその通りにした。

が、これがうまくいかない。Xが起動しないわけではないのだが、アクセラレーションが有効にならず、ログイン時にGNOME Shellが実行できないと言われる。

GNOME Shellでなければならないということもないが、ダメと言われると一応はがんばってみたくなる。そこであれこれ調べてみたところfglrx-legacy-driverが用意されていることがわかった。そこで同パッケージをインストールしたところ、無事にGNOMEが起動するようになった。(fglrx-legacy-driverは現時点ではexperimentalにしかない。)

さてそのGNOME Shell。実のところ名前を聞いたことがある程度にしか知らず、立ち上がってきたはいいものの、はてどう使えばいいのやら。「アクティビティ」をクリックすればアプリケーションランチャが現れることは分かったが、いかにもまどろっこしい。

調べずにtwitterでつぶやいたところwindowsキーでいけると教えてもらえた。そこからたぐってGNOME Shell CheatSheetを発見し、最低限必要なキーバインドは分かった。(まずはAlt-F1とAlt-F2。)

ちょっと困ったのがウィンドウフォーカの移動で、Alt-Tabによる切り替えの際に、どのウィンドウが選択されるのかがわかるようなスタイルにならない。作業中には端末を複数起動するのが常である。そのためAlt-Tabで表示されるアプリケーションのリストには同じアイコンがずらっと並ぶばかり。いったいどれがどの場所にある=どの用途のためのウィンドウかの見分けがつかない。

そこで、ウィンドウタイトルに実行したコマンドやカレントディレクトリが表示されるようにすることにした。これにはおすすめzsh設定をほぼそのまま使わせてもらった。ここでの目的に限定するならオーバースペックでもあるが、この種の設定はよく吟味、メンテナンスされている設定集を使わせてもらうのが一番。この機会に設定を変更することにした。

また、GNOME Shellでは同じプログラムの間でだけウィンドウ切り替えができるようになったことを前掲のGNOME Shell CheatSheetで知った。これは結構便利なはずなのだが、今まで使っていたrxvtではうまく動かず、それぞれ別のグループに分かれてしまう。そこでrxvtを止め、gnome-terminalに移行した。これによりAlt-`でgnome-terminal間だけでの切り替えができるようになった。

ウィンドウ切り替えに関連では、ワークスペースをまたいだウィンドウ切り替えが可能になったのもよい。ここしばらくはMac上で作業することが多かったため、これが可能になったのはうれしい。

と、プログラミング作業以外はあまりしない環境であるため、このあたりでひと段落。

ざっと見たところ、このアップグレード(GNOME Shellへの移行)によってデスクトップ環境としてかなり使いやすそうな状態になったと感じている。もう少し使ってみないとなんとも言えないのかもしれない。だが、それほど使いこむ環境でもないので、今後使っていても印象はそう変わらないのではないかと思っている。(従来のGNOMEをさほど使いこんでいなかったおかげで違和感が小さいためで、そうでない人にとってはGNOME Shellが使いにくいのかもしれない。また、初見で戸惑ったのもたしかである。)

今回、rxvtを止めてgnome-terminalにしたことでビットマップフォントを使わなくなった。これは自分としては大きな変化で、数年前なら考えられないことだった。(その頃にはその頃の事情もあったのだが。) だが、これはこれで悪くない。思っていたよりなんとかなりそうだ。一部の記号幅の問題がちょっと気になってはいるので、そのあたりでさらに別の端末に乗り換えが必要になるかもしれないが、もう少し様子をみよう。